ネットの片隅には、決して表立って語られずに、ひっそりと一人の作曲者が作った楽曲群をリスペクトする界隈がある。
個人サイトのここまで来る人、知る人ぞ知る……みたいな話が好きなんじゃないかな?というわけで知る人ぞ知る音楽界隈の話。興味があればどうぞ。いや、知っている人も多そうですが。お手柔らかに。
ことのはじまりとそのつづき
十年くらい前、ある作曲者(××××兄貴)が四つの曲を発表しました。それぞれの曲は独特な世界観と優れたコード進行で評価を受けたにも関わらず、作曲者は有名になることを拒み、この四つの曲を削除しました。
自分の名前を出さないでほしい・宣伝しないでほしいというメッセージを発表しましたが、曲の転載は許可を出していました。そうして有志が作曲者名を伏せたままニコニコ動画やyoutubeに転載することになり、いまも曲自体は遺物として残っています。
代表曲は「イワシがつちからはえてくるんだ」、他の三曲は「ヤツメ穴」「クロマグロがとんでくる」「. (クラゲ)」。個人的にはヤツメ穴が一番好き。わかりやすくすごい。
加えて、同じ作者だと言われているあといくつかの楽曲が違う名義(2号.)であったりする。真偽は本人のみぞ知る話なわけですが、こんなにうまい人が同時期に二人もいてたまるか。
有名なのは以下、「柴又」。観光PR動画から作られた音MADです。
…踏切の音がこんなに心地よくなるの、なんで?
コメント欄にめちゃくちゃ詳しく解説してくれている人がいる。youtubeに中々ない愛ある長文なので是非。以下その方の引用。
良さを解説すると、ほとんどの音MADは既存の曲をベースにするのに対し、この音MADはこれ自体が原曲で、しかも音楽として非常に完成されています。2012年に作られたのにも関わらず、音MADとしての力量が現在のものと全く劣っていません。
youtubeコメントより
特にコード。一般的なものと違う構成なのに、綺麗にまとまっていて素晴らしいです。
このまま廃れさせたら惜しいほどの特徴的で素晴らしい楽曲群なので、たくさんの人がリスペクトした曲を作るようになります。しかし活動方針もリスペクトをしてすぐに削除したり検索避けをしたりと、たいへん発掘するのが難しいアングラな界隈になっているのがこの2号.兄貴リスペクト界隈です。
共通の目印はない。まさしく「名前を言ってはいけないあの人の界隈」。
だけど、みんな楽しんで作ったり探したりしている。そんな界隈です。
現在はじわじわ知名度を上げている
実はみんな知っているんじゃないか、と書いたのはこの界隈リスペクト曲のおかげ(界隈をリスペクトしたよ、とは明言していないものの後述する歌ってみたの投稿から判断)。
題名なし、作者名なし、検索不可能なこの曲が1800万回も再生されているってすごいわくわくする話です。みんなどうやってたどり着いたんだろう。字幕も異様に凝っていたりして、はじめて見つけたときにはおお……となったことを覚えている。ネットにこんなのあるんだ。
この方、「イワシがつちからはえてくるんだ」の歌ってみたも投稿している。神アレンジ大好き。
Twitterのフォロワーは十万人近くいるので、界隈もそれくらい知られているのかと思えば意外とそうではないっぽいのが面白い。
もっと界隈曲を知りたい
ゴリゴリにネサフをしましょう!こちらの記事とかを地図にして、ごりごり探していくのも楽しい。
こういうのがあるからネサフがやめられなくて止まらないんですね。めっちゃ楽しい。
検索避けしてるので余談
××××兄貴、伏せ字を外すところんば兄貴です。
語感がすき。