ストックホルム症候群のお手軽体験「ドキドキ文芸部!」感想

最高のサイコホラーだった。(ダジャレではない)
ドキドキ文芸部、実際にプレイするのではなく実況動画を見ました。過激なグロはちょっと……という感じだったので結果的によかった。同じような人も実況で見るのがオススメ(youtubeの規制に引っかからない程度にグロはぼかされる)

以下ネタバレあり!

序盤めちゃくちゃためになるんですが

新学期、主人公は新たに女子ばかりの文芸部のメンバーになるという話の開幕。単調かと思ったらそんなことはなかったです。
詩を作る考え方の話は文芸部メンバーによりけりで読んでいてふつうにinterestingでした。まあ後半で全部吹っ飛んだけど

あのシーンがあったから物語の世界観に対して姿勢正すか……みたいな気持ちになりました。プレイヤーが姿勢を正したところでゲームは狂っていきます。そこがよかったです。

間違いのないサイコホラー

ちょっとずつズレていくバグ感・不安感、そしてそれを煽っていく表現はお見事。
一番好きな演出はどの選択肢を選んでもモニカの選択肢になるやつ。シンプルホラーが(精神に)効きました。

なにがすごいって、「このゲーム、バグってる?」ってとこじゃなくて「このゲーム、モニカちゃんのせいでバグってる?」ってところまでプレイヤーに思わせるところ。ここでモニカちゃんの好感度はかなり下がっていくんですが、転機は間違いなくあそこでしょう。

サンキューモニカ部屋

めためたにモニカちゃんが話してくれる部屋、これもモニカちゃんの話題が見事に面白かったので飽きなかったです。同時にレトルトさんの雑談も面白かった。

あれ、「プレイヤーが長くともに過ごしたキャラクターほど愛着は湧く」という実証のようで不思議な心地でした。おそらく十五分で切り上げていたらモニカちゃんの好感度も地を這うままのはずです。これは確実にストックホルム症候群を疑似体験している……!と長い長い話の中で思いました。

それをわかっていてもなお、モニカちゃんが一番好きなんですけどね。サイコホラーとして、そういう意味でやばいゲームでした!

余談

サヨリちゃんの好きな語彙で構成されているこの曲の圧倒的なまでの不安感からも、ドキドキ文芸部がどれだけすごいかと語れますね。しっかり心理学通ったサイコホラーだったんか……